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POLITICAL ECONOMY第299号01/16 21:49
放置できないレベルにある富の偏り   NPO現代の理論・社会フォーラム運営委員 平田 芳年  25年12月17日の共同通信によると「日銀が発表した2025年7~9月期の資金循環統計速...
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ロシア戦時経済の死角、エネルギー販売収入の大幅な減少         季刊『言論空間』編集委員 武部 伸一   2022年2月開戦以来、4年近くが経過するウクライナ戦争。日本のマスコミではロシア有利の戦況報道が続いている。だが、プー...
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グローバル税制の現在地           横浜アクションリサーチ 金子 文夫  高市政権が様々な経済政策を打ち出すなかで、金融所得課税、法人税の租税特別措置の見直しなど、ようやく消費税以外の税制への関心が高まってきた。しかし、依...
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秋田県で起きていることは日本社会の縮図             街角ウォッチャー 金田 麗子  環境省によると、今年度上半期の熊の出没件数は2万792件。件数を公表していない北海道を除くと、岩手県4499件、秋田県4005件。青森...
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アメリカ・ファーストの源流に“いらいらした愛国心”              金融取引法研究者 笠原 一郎    昨年、アメリカ・ファーストを掲げ、波乱の中で大統領に再び返り咲いたドナルド・トランプが打ち出した「トランプ関税」-これ...

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現代の理論・社会フォーラム経済分析研究会は、日本および世界の経済の動きをとらえ、認識を深めることを目的に研究会活動を行っています。経済を中心に社会、政治など知的集積の場として「POLITICAL ECONOMY」をメールマガジンとして配信しております。

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2026/01/16

POLITICAL ECONOMY第299号

Tweet ThisSend to Facebook | by:keizaiken
放置できないレベルにある富の偏り                           

  NPO現代の理論・社会フォーラム運営委員 平田 芳年
 25年12月17日の共同通信によると「日銀が発表した2025年7~9月期の資金循環統計速報で家計(個人)が保有する金融資産の残高は9月末時点で2286兆円となった。1年前と比べて4.9%増加し、過去最大を更新した」という。株式や投資信託といった運用資産が増えたことが大きな要因だが、全体の半分を占める現金・預金も0.5%増の1122兆円と拡大を続けている。  マクロで見れば国全体の金融資産が増え続けることは家計が豊かになるので喜ばしいことになりそうだが、個々の世帯で見ると大半の人々は年々資産が増えているという実感はほとんどない。ではどのような人たちが資産増の恩恵を受けているのだろうか。 増加する富裕層、超富裕層  野村総合研究所が25年初めに公表した「2023年の日本における純金融資産保有額別の世帯数と資産規模」によると、純金融資産保有額が1億円以上5億円未満の「富裕層」、および同5億円以上の「超富裕層」を合わせると165.3万世帯に上り、その純金融資産の総額は約469兆円と推計。前回調査(2021年時点)の148.5世帯から11.3%増、わずか2年で1億円以上の資産を保有する層が約17万世帯も増加しているのだという(昔風に言えば、億万長者がこれだけいるということ)。内訳は、富裕層が153.5万世帯、超富裕層が11.8万世帯で富裕層・超富裕層の合計世帯数は、この推計を開始した05年以降増加しており、それぞれの世帯数も、2013年以降は一貫して増加傾向にあるという。05年に比べ、富裕層世帯は2倍に膨らんだ。 同総研によると、「相続」によって、相続人が富裕層・超富裕層となるケースも増えているが、新たに富裕層となった世帯で目立つのは、従業員持株会や確定拠出年金、NISA枠の活用などを通じて、運用資産が1億円を超えた人々と都市部居住で世帯年収3,000万円以上の大企業共働き世帯に代表される人々で、前者を「いつの間にか富裕」、後者を「スーパーパワーファミリー層」と命名。今後もこの二つの層は増え続けると見ている。 「21世紀の資本」で世界史的な所得・資産分布を論じたトマ・ピケティは「戦争など特別な事情がない限り、所得や富の格差は内生的なメカニズムで拡大し続ける」と指摘、富の偏在は資本主義社会では必然の事態と強調した。しかし富める者が増え続ける一方で、可処分所得が127万円以下の相対的貧困率は15.4%、約2,000万人が貧困ライン以下での生活を余儀なくされており、単身世帯、子育て世帯(特にひとり親世帯)、高齢者世帯などで貧困率が高い。日本の相対的貧困率はOECD(経済協力開発機構)加盟38カ国中7位、G7のなかでは最も高い水準にあるとのデータを見ると、富の偏り(格差)は放置できないレベルにあるのではないか。 所得・資産再分配政策の実施が急務  トマ・ピケティは富の偏在を是正する政策として「資産課税が望ましい」と指摘しているが、日本では「税制に不満があっても、それが直ちに富裕層課税強化という要求に結びつかず、制度全体の問題として拡散する傾向がある」(ビジネス・マーケティング勝鬨美樹氏)。所得税の最高税率は5割超と米国に比べ相対的に高い水準だが、富裕層の資産形成を担う金融所得は2割の分離課税と優遇されており、「富裕税」など資産に対する新規課税論も出てこない。  年末にまとまった政府の26年度税制改正案で超富裕層に対する所得税の追加負担強化が打ち出されたが、わずか数%の課税上乗せに止まっており、富の偏在を是正するにはほど遠い措置だ。金融資産1億円以上の富裕層が165万世帯を超える一方で、419万円以下しか保有しない層が2800万世帯に上り、生活保護世帯数164万7,346(2025年)、「年収200万円、資産ゼロ」世帯が増え続ける現実は経済構造としても相当歪んでいる。こうした富の偏在を放置し続けると、中間層の没落、貧困層の生活悪化、社会の分断、経済の停滞などを引き起こし、近い将来、手痛いダメージとなって日本社会に跳ね返ってくることは避けられない。富の偏在を是正するための所得・資産再分配政策の実施が急務だ。

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次回研究会案内

会場が変更になりま
した。


第46回研究会

「高市経済政策は
何を目指している
のか!」

講師:松尾匡氏(立

  命館大学経済
  学部教授)

日時:
2026年1
  24日(土)
   14時~17

場所:専修大学神田校
舎10号館11階10115教
室(千代田区神田神保町
2-40地下鉄神保町駅A2
出口、徒歩約3分
資料代:1000円
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これまでの研究会

第37回研究会(2021年7月3日)「バイデン新政権の100日-経済政策と米国経済の行方」(専修大学名誉教授 鈴木直次氏)


第38回研究会(2021年11月6日)「コロナ禍で雇用はどう変わったか?」(独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員 高橋康二氏)

第39回研究会(2022年4月23日)「『新しい資本主義』から考える」(法政大学教授水野和夫氏)

第40回研究会(2022年7月16日)「日本経済 成長志向の誤謬」(日本証券アナリスト協会専務理事 神津 多可思氏)

第41回研究会(2022年11月12日)「ウクライナ危機で欧州経済に暗雲」(東北大学名誉教授 田中 素香氏)

第42回研究会(2023年2月25日)「毛沢東回帰と民族主義の間で揺れる習近平政権ーその内政と外交を占う」(慶応義塾大学名誉教授 大西 広氏)

第43回研究会(2023年6月17日)「植田日銀の使命と展望ー主要国中銀が直面する諸課題を念頭に」(専修大学経済学部教授 田中隆之氏)

第44回研究会(2024年5月12日)「21世紀のインドネシア-成長の軌跡と構造変化
」(東京大学名誉教授 加納啓良氏)

第45回研究会(2025年10月25日)「トランプ関税でどうなる欧州経済」(東北大学名誉教授 田中素香氏)


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