新着情報

 RSS
POLITICAL ECONOMY137号04/14 20:04
社会主義の鍵は人々の間の主体的合意形成                 経済アナリスト 柏木 勉  AIやビッグデータ、量子コンピュータ等に関するマスコミ報道を見ていると(すみません、私はこの種のまともな本を読んだことがない)、「...
POLITICAL ECONOMY136号03/23 14:42
かかりつけのケアマネとドクター -在宅での生活支援の経験から-         労働調査協議会客員調査研究員 白石利政  週4回、朝夕続いた義母のデイサービス利用時の送迎が昨年末に突然終わった。...
POLITICAL ECONOMY135号03/07 14:43
バブル崩壊は近い                   経済ジャーナリスト 蜂谷 隆  不動産経済研究所の「首都圏のマンション市場動向」によると、昨年12月の初月契約率は49.4%と1991年8月以来の50%割れとなった。初月契約率...
POLITICAL ECONOMY 134号02/23 10:34
毎勤「不適切」問題と19春闘       グローバル産業雇用総合研究所長 小林良暢  毎月勤労統計の「不正」問題で、安倍内閣が揺さぶられている。  毎勤統計は、賃金や労働時間の動向を...
POLITICAL ECONOMY 133号02/09 09:42
「赤ちゃんポスト」10年の歩み        元東海大学教授 小野豊和  日本で1年間に生まれる赤ちゃんは約97万人。人工妊娠中...

メールマガジン「POLITICAL ECONOMY」の配信について

現代の理論・社会フォーラム経済分析研究会は、日本および世界の経済の動きをとらえ、認識を深めることを目的に研究会活動を行っています。経済を中心に社会、政治など知的集積の場として「POLITICAL ECONOMY」をメールマガジンとして配信しております。

 「
POLITICAL  ECONOMY」は、会員の方々による発信の場です。メーマガジンとして配信、同時にホームページ上でも公開しております。大きく動く世界と日本の経済、社会の動きを分析、発信していきたいと考えています。
 

メルマガ

メルマガ
12345
2019/04/14

POLITICAL ECONOMY137号

Tweet ThisSend to Facebook | by:keizaiken
社会主義の鍵は人々の間の主体的合意形成
                経済アナリスト 柏木 勉

 AIやビッグデータ、量子コンピュータ等に関するマスコミ報道を見ていると(すみません、私はこの種のまともな本を読んだことがない)、「社会主義の計画経済が可能になるのか」などと考えたりする。NP問題(一定の制約下の最適解を求めても爆発的な計算量で事実上不可能という問題)も一部計算可能になったとか。計算量の問題が技術的に解決すれば計画経済に一歩近づくといえるのか・・・電脳社会主義?

 しかし問題の本質はそこにはないだろう。問題は人々の間の合意形成にある。ごくごく単純化すると「何をどれだけ生産しどれだけ消費するか(投資するか)」の合意だ。この主体的合意形成が鍵である。かつての共産圏では一党独裁のもと、中央の一方的な指令で人々は働かされた。これでは普通の人々が生産と社会の主体になれない。疎外された労働そのものである。
 
人々の合意形成?たわけたことを!

 ここで、ネットの画面を流していたら、マルクスの墓が落書きされて碑文もハンマーで殴られたとの記事が出てきた。EU内で反緊縮の左派が伸びてきた事への反感だそうな。落書きは「ボリシェビキ・ホロコーストの記念碑 1917年 1953年 犠牲者6600万人」「大虐殺とテロ、弾圧、大量殺人の建築家」等々。墓を毀損するのはけしからんと思ったが、眺めているうちに「落書きの言葉自体は正しいな」と色々考え始めた。

 犠牲者6600万人ははっきりしないが、何百万人から数千万人まで、いずれにしても大量の人間が殺害されたのは事実だ。だが、スターリン主義の罪を直接マルクスになすりつけるのは誤りだ。プロレタリアート独裁は一党独裁にあらず。一党独裁と「人々の間の合意」は相対立する。アジア的専制下の特殊ロシアが生み出した職業革命家、それらが生み出した一党独裁。「人々の合意形成?たわけたことを! 7、8割は読み書きもろくにできない農民だ。党が全てを指導するのだ」 
 
恐るべき党物神化

 ロシア革命は多面的に検討されてきたが、ここでは一党独裁を支える心性についてだけ触れる。まずレーニンは述べた。「プロレタリア独裁は党によって実現される権力である。それは暴力に依拠しており、いかなる法にも束縛されない」。

 これについてピャタコフは述べる(ピャタコフは党の中枢にあったが、当時党を除名され、復党を願い出ていた)。その時(1929年前後)語ったものだ。憂鬱になってくるが、長い引用をさせてもらう。

 「・・・いかなる法にも、いかなる制約にも、いかなる障碍にも束縛されぬという自由な暴力に立っているとき、・・・行動不可の範囲は極度に圧縮されて零に至る・・・不可、実現不能、許容できぬといわれるものを全て実現するというイデ―を担う党、それがボリシェビキだ・・・その党内に身を置くことの栄誉と幸福の為なら、我々は矜持も自尊心もその他全ても犠牲に供すべきなのだ。党に復帰するに当たって我々は党から指弾を受けた信念を頭脳からたたき出すのだ。反対派に属していた時に我々が擁護したもの、それがその信念であったとしてもそうするのだ・・・暴力に関する思想に貫かれる我々は、その暴力を我々自身にふりむける。そして、党が要求するならば党にとって必要であり重要ならば、多年にわたって持っていたイデ―を24時間以内に頭脳からたたき出すという意志行為をあえてなしうるのだ・・・自分自身を破砕して党と全く一体化するためにこの暴力にうったえるということ、その事の内にこそ本当の思想的ボリシェビク・コムニストの本質が現れる・・・私が白とみなし、また私に白と見えたものをこれからは私は黒とみなす。というのも党の外では、党との合致なくしては、私には生がないからだ・・・党外にあること、それは零ということだ・・・党がその目的実現のために白を黒とみなせと要求するなら――私はそれを受け入れ、それを自分の信念にする・・」
(平凡社「ドキュメント現代史4・スターリン時代」)

 この恐るべき党物神化!極限化された党フェチシズム!ボリシェビキにとって禁止されるべきものは何もない、何をしてもいいのだ。党に白を黒とみなせと云われれば、それがどれほど苦痛で過酷であっても応ずる。なぜなら党の外は零であり、生きる意味がないからだ。そうであるならば党の外にいる民衆、普通の人間の価値も零だ。零の存在ならどうなるのか? 

 これが大粛清、大量殺戮、大量死に至る飢餓、極地への大量追放、収容所群島の構築の大きな要因になったことはまちがいない。

 特殊なロシアというアジア的専制の精神風土のもと、スターリン主義という恐怖政治が確立したのである。それは社会主義・共産主義とは無縁の存在だった。

 だが、いまだに「無縁の存在だった」と云えないで未練を残している人達がいる。そして中国共産党や北朝鮮等々、「社会主義」を標榜する支配者に未練を残す人もいる。この未練は一刻も早く消え去っていただきたい。


20:04
12345

メルマガ登録

LINK

次回研究会案内

第31回研究会

「『インフラ投資』は中国経済の切り札になるのか」

講師:
徐 一睿専修大学経済学部准教授


日時:2019年4月27日(土)14時~17時

場所:専修大学神田校舎1号館12階社会科学研究所会議室

資料代:500円













案内文
 

これまでの研究会

第22回研究会(2016年7月30日)「『国家戦略特区』は役に立つのか」(立教大学経済学部教授 郭 洋春氏)


第23回研究会(2016年10月20日)「『同一労働同一賃金』はどこまで可能か」(東京大学社会科学研究所教授 水町 勇一郎氏)

第24回研究会(2016年12月17日)「中国の超格差社会の是正は可能か」(専修大学経済学部准教授 徐 一睿氏)

経済分析研究会設立5周年記念シンポジウム(2017年3月11日)「トランプ米大統領が分断する世界経済-日本経済、破綻か再生か」

第25回研究会(2017年6月3日)「トランプ政権の通商政策と自動車産業」(専修大学経済学部教授 鈴木 直次氏)

第26回研究会(2017年10月14日)「AI革命『激変する雇用としごとの未来』(グローバル産業雇用総合研究所所長 小林 良暢氏)

第27回研究会(2018年1月20日)「異次元緩和の出口戦略を考える」((株)リコー執行役員・リコー経済
社会研究所所長 神津 多可思氏)

第28回研究会(2018年3月24日)「『一帯一路』でアジアはどう変わるか」(国士舘大学21世紀アジア学部教授 平川 均氏)

第29回研究会(2018年6月16日)「転換期の日本経済 誤った課題設定と翻弄された労働組合」(大東文化大学経済研究所兼任研究員 石水 喜夫氏)

ミニ研究会(2018年9月30日)「米中貿易戦争のゆくえ」(横浜市立大学名誉教授金子 文夫氏)

第30回研究会(2018年11月10日)「ポストアベノミクスの経済政策を考える」(立命館大学経済学部教授 松尾 匡氏)


これまでの研究会報告