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2024/11/30

POLITICAL ECONOMY第273号

Tweet ThisSend to Facebook | by:keizaiken
経済政策、石破カラー打ち出せるか 
         NPO現代の理論・社会フォーラム運営委員 平田 芳年
                         
  自公の過半数割れで少数与党としてスタートした石破政権の経済政策「イシバノミクス」をめぐる論議が本格化している。国会での過半数確保のため、石破政権は国民民主党との政策協議を重視する方針を打ち出し、国民民主が求める「年収103万円の壁」やガソリン税の引き下げなどが大きくクローズアップされているが、そうした個別の問題とは別に、岸田政権が骨太方針(経済財政運営と改革の基本方針)で示した「新しい資本主義、成長と分配の好循環」を目玉とする経済運営の枠組みをどう受け継ぎ、新たな石破カラーを打ち出すのか、25年度政府予算案編成を前に、民間エコノミストたちの大きな関心を集めている。

 石破首相の所信表面演説を前にした10月3日、朝日新聞は「石破政権の経済政策で、岸田政権の施策をそのまま引き継ぐ姿勢が目立っている。発足後、『新しい資本主義』や『資産運用立国』など岸田政権が看板とした政策の継続を強調。首相がこだわりを見せて独自色を打ち出す安全保障政策に比べ、経済政策は『石破カラー』が薄い始動となった」との記事を配信、NHKも「石破総理大臣は経済政策について、岸田政権が掲げてきた『成長型経済』を継承するとして、物価高への対策と賃上げによって個人消費を拡大し、デフレからの完全脱却を目指すとしています」との見方を伝えている。

 大手メディアが伝える石破経済像は独自色が少なく、岸田政権の政策を踏襲という姿が一般的だ。しかし専門家(エコノミスト)から見ると、「イシバノミクス」のいくつかの特徴点が浮かび上がる。

  第一生命経済研究所経済調査部の永濱利廣首席エコノミストは「石破氏が経済の正常化を目指しつつ財政健全化の旗を堅持していることには注意が必要。経済政策成功のカギを握るのは、経済が完全に正常化に至るまでは再分配より経済成長を優先し、いかに民間に対する負担増を我慢できるか」だと指摘する。石破首相が自民党総裁選で法人税増税や金融所得課税強化を掲げていたことを念頭に置いた発言だ。

アベノミクスとどう向きあうのか

 10年以上続いてきた「アベノミクス」にどう向き合うのかも大きなテーマだ。野村リサーチの木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「石破政権が、岸田政権の経済政策を引き継ぐと明言したことは、アベノミクスとは距離を置く姿勢を滲ませるものでもあるのではないか。石破政権の政治基盤が強化された場合には、総裁選で掲げてきたアベノミクスの功罪の検証を行い、正常化に向けた日本銀行の金融政策の自由度の確保と財政健全化の方向を明確に確認することを是非実施して欲しい」と注文を付ける。

  菅、岸田政権では大型経済対策の度に、国債発行を増発させ、公的債務を増大させてきたが、石破政権のスタンスはどうか。大和総研経済調査部の神田慶司シニアエコノミストは「石破首相は今秋に策定される新たな経済対策について、国費13兆円程度(定額減税等を合わせると17兆円前半)だった2023年度を上回る補正予算にする」の考えを示した。実施すれば、2025年度に国・地方の基礎的財政収支を黒字化させる財政健全化目標の達成は極めて困難になる」と批判的に見る。

  石破首相は所信表明演説で「適切な価格転嫁と生産性向上支援により最低賃金を着実に引き上げ、2020年代に全国平均1500円という高い目標に向かってたゆまぬ努力を続けます」と公約したが、経済界からは拙速な引き上げに批判的意見も強い。「20年代末の29年度に1500円を達成すると仮定すれば、来年度からの5年間で年平均89円の引き上げが必要。この引き上げ幅は、今年度に過去最高となった51円の引き上げ幅を大幅に上回ることになり最低賃金引き上げの加速が雇用に与える影響も無視できない。雇用や中小企業の経営に対して与える副作用が重視されることになれば、到達する時期を後ろ倒しに修正するという選択肢もありうるだろう」(永濱利廣首席エコノミスト)と牽制する。

「『経済オンチ』くらいがちょうどいい」

 専門家の中には「今後10年の基本構想の策定も予定されているが、『看板掛け替え』にとどまる可能性も否定できない」(神田慶司シニアエコノミスト)との冷ややかな見方もあるが、「石破氏はメディアでは『経済オンチ』とも評されているようです。しかし日本の首相には『経済オンチ』くらいがちょうどいい。『経済』に対して『政治』にできることはそもそも限られている。『普通の資本主義』を目指す政策を地道に進めてほしい」(陣内了一橋大学経済研究所教授)とエールを送る声もある。

 少数与党政権というこれまでの自民党政治が未経験の領域で舵取りを任された石破政権が経済政策で独自色が出せるのかどうか、まずはじっくりと拝見したい

19:52

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第35回研究会(2020年9月26日)「バブルから金融危機、そして・・・リーマン 兜町の片隅で実務者が見たもの(1980-2010)」(金融取引法研究者 笠原一郎氏)


第36回研究会(2020年11月28日)「ポストコロナ、日本企業に勝機はあるか!」(グローバル産業雇用総合研究所所長 小林良暢氏)

第37回研究会(2021年7月3日)「バイデン新政権の100日-経済政策と米国経済の行方」(専修大学名誉教授 鈴木直次氏)

第38回研究会(2021年11月6日)「コロナ禍で雇用はどう変わったか?」(独立行政法人労働政策研究・研修機構主任研究員 高橋康二氏)

第39回研究会(2022年4月23日)「『新しい資本主義』から考える」(法政大学教授水野和夫氏)

第40回研究会(2022年7月16日)「日本経済 成長志向の誤謬」(日本証券アナリスト協会専務理事 神津 多可思氏)

第41回研究会(2022年11月12日)「ウクライナ危機で欧州経済に暗雲」(東北大学名誉教授 田中 素香氏)

第42回研究会(2023年2月25日)「毛沢東回帰と民族主義の間で揺れる習近平政権ーその内政と外交を占う」(慶応義塾大学名誉教授 大西 広氏)

第43回研究会(2023年6月17日)「植田日銀の使命と展望ー主要国中銀が直面する諸課題を念頭に」(専修大学経済学部教授 田中隆之氏)

第44回研究会(2024年5月12日)「21世紀のインドネシア-成長の軌跡と構造変化
」(東京大学名誉教授 加納啓良氏)


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